うねび内科Blog

徒然なるままに、院長木村がブログをつづっています。日々感じること、季節のこと、プライベートのことなどもいろいろお話しています。普段の診察ではなかなかゆっくりとお話することができない患者様とのコミュニケーションの場と考えています。もちろん、医療のこと、クリニックのこともお話しています。

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人生会議

「人生会議」という言葉をご存知でしょうか?

厚生労働省のホームページにも掲載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html


誰でもいつでも、人生に関わる病気や怪我をする可能性があります。

もしものときのために、

また、自分の人生の終わりにあたり、

どのような治療を受けたいか、延命治療を望む・望まないのかなど、

自分自身で前もって考え、

周囲の信頼できる人と共有することが大切です。

最期まで病院で治療を受けたいのか、

治らない病気なら自宅で最期を迎えたいのか、

等々を事前に家族と十分に相談しておこうというものです。


自分が元気なうちに家族や身近な人に、

いざというときの希望を伝えておくことが大切とされています。

「在宅支援診療所」として考えていること

当院は、4年前から「在宅支援診療所」として医療提供しています。

在宅支援診療所は、午前と夕方の診察の間の時間に、

寝たきりなどの患者さんの自宅に往診や定期的に訪問診療を行います。

また、人生の最期まで自宅で過ごせるように、

自宅で患者さんが亡くなると看取りも行います。

毎年数名の方の死亡診断書も書きました。

患者さんの中には、家族と疎遠になっている方もおられ、

東京にいる親族の方に連絡して、

亡くなる前に再会のセッティングをしたこともありました。


医療だけでなく、

介護、訪問看護を提供する”あすならホーム畝傍”さんの協力も得て、

より良い最期を提供できることを願い、支援しています。


4年前に「在宅支援診療所」となるときに、

院内に掲示した文章が下記のものになります。

ご一読ください。

《患者さまにお知らせ》

当院は平成20年に開院し平成30年4月から在宅支援診療所としてスタッフ一同とともに頑張っていこうと考えています。

開院当初から通院いただいていた方も10年の歳を重ねられました。

高齢等の理由で通院が困難になっておられる方も見受けられます。

往診や在宅医療等の希望がある方は、診察時に相談頂ければ、できる限りのことをさせて頂きたいと考えています。

入院が必要なときに連携した病院を案内したり、自宅で訪問看護を受けて頂けるようにしています。

地域におけるかかりつけ医機能として、健康診断の結果等の健康管理に係る相談、健康・福祉サービスに関する相談及び夜間・休日の問い合わせも転送電話での対応も行っています。

また、介護の相談も診察時間外にゆっくりお話しを聞かせていただくこともできますので、必要がある方はどうぞ申し出ていただきますようお願いします。

訪問診療

昨年4月20日のブログで、

https://www.unebi-naika.com/blog/entry-042.html

住宅型有料老人ホーム「ともに」を紹介しました。


小槻町にある関連施設のサービス付き高齢住宅「かぎろひ」に患者さんが入院されたので、

こちらにも訪問診療に行くことになりました。

新築の新しい施設で気持ち良く過ごせそうです。

桜の季節

桜の開花のニュースが聞こえ始めました。

春を感じる暖かい日も増えてきました。

コロナも少し減り始めました。

第5波と比較して、第6波は予想以上の長期間となり、

毎日の診察での陽性者数も

連日10名を超える時期が続くときもありました。

今週からは少し落ち着いてきました。

土曜の午後は…

土曜日の午後は、NHKラジオの「山カフェ」を聴きながら、

趣味の庭仕事やガーデニングをして過ごしています。

朝8時から2時間の番組なのですが、スマートフォンで再放送されます。


先日、「森のように生きる」という本を紹介しました。

庭の緑を見て、春を感じることで、

去年の春から一年が経ち、

また一年過ごすことができたありがたさを感じます。


暦の”啓蟄(けいちつ)”も過ぎましたが、

まだ虫の姿は少ないです。


山の方からウグイスの鳴き声が聞こえます。

ラジオの番組「山カフェ」を聞いていると、

毎回、あちこちの山小屋からの情報が流れてきます。


各地の山小屋からの季節の話題を聞くと、

いつか行ってみたくなります。

遠くに行けなくても、

クリニックの近くのうねび山、甘樫丘に行くだけでも、

森の雰囲気を十分に楽しめ、体力作りもでき、

森の自然に新しい生命力をもらっています。

僕の心の指針

昨年、3月31日のブログで、

『一隅を照らす』を書きました。→こちら

もう一つ、仏教の言葉で、

僕が心の持ち方の指針にさせてもらっている言葉をご紹介したいと思います。


四国遍路でお遍路さんがかぶる菅笠には、

全部で5つの文字が書かれています。

「迷故三界城」「悟故十方空」

「本来無東西」「何処有南北」「同行二人」


以下は僕なりの素人解釈です。

「迷故三界城」

三界とは今、自分がいる世界のこと、この三界が城、城壁の意味、すなわち自分がいる場所が高い壁でおおわれているように感じる迷いの故に三界が城に覆われてしまっているように感じてしまう。

「悟故十方空」

しかし心を広く持ち見かたを変える、またはドローンのように高いところから自分の居場所を見ると、自分の周りに広い世界が広がっていることに気づく。自分を中心にして十方、すなわちどの方向にも空が広がっていることに気づく。

「本来無東西」

西も東も人間が決めた基準に過ぎない、いろいろなわだかまり、しがらみに縛られて生きることはない

「何処有南北」

東西と同様、南北さえ人間の決めた基準に過ぎない、そんな世間のしがらみから逃れ、広い視野を持つように。


このように理解しています。

人間が持つ悩みや苦しみに囚われることなく、

悟りの境地に達するための道筋を説いた言葉です。

巡礼をすることで悟りの境地に近づきたい願いの言葉と思っています。


忙しい現代人にとっては、毎日の仕事、生活が遍路道。

巡礼に行く時間がなくても、毎日を精一杯生きる、生き切る1日が、

巡礼と考えてもいいと思っています。

最後に、

「同行二人」

四国お遍路では、お大師さまがずっと傍らに寄り添って歩いてくれるという意味です。苦しいときも横に見守ってくれる人がいる、それが仏であり、家族や先祖や大切な人なのだという意味です。

僕なりの解釈ですが、

これが僕の人生で何かあるときに立ち戻る考え方、

心の持ちかたの指針です。