うねび内科Blog

徒然なるままに、院長木村がブログをつづっています。日々感じること、季節のこと、プライベートのことなどもいろいろお話しています。普段の診察ではなかなかゆっくりとお話することができない患者様とのコミュニケーションの場と考えています。もちろん、医療のこと、クリニックのこともお話しています。

ブログ一覧

一隅を照らす

「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉があります。

天台宗の開祖・最澄の言葉です。

「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」という言葉です。

一隅とは、片すみや自分のいる場所。

一人ひとりが自分のいる場所で一隅を照らしていくことこそ、

私たちの本来の役目であり、

それが積み重なることで世の中がよくなるという事です。



どこかの片すみでも、小さな事でも、一つひとつ真面目に行う。

今の自分にできることを一生懸命やる。

そうやって一人一人が灯す小さな光がやがて大きな光となる。

忘れがちだけど、そんな当たり前のことを思い出させてくれる言葉です。

一隅を照らすクリニックでありたいと開業しました。

「一隅を照らす」つまり、「自分の開業場所で精一杯に尽くす」

そんな姿勢で毎日を送っていれば、

必然的にその場その場で欠くことのできないクリニックとなり、

地域からも必要とされるクリニックなっていくはずです。

黄砂

昨日と今日は、ひどい黄砂が日本を覆っています。

昼、往診で橿原市内を運転していたら、

遠くの山々が霞んで、空気が汚れて見えました。

吸い込むと体が悪くなりそうな気がしてきます。


クリニックはコロナ対策で換気扇を回していますが、

この空気が中に入ってくると空気清浄機がフル稼働、

赤色の警報がずっと点灯していました。


診察にくる喘息の患者さんにも、

外出するときにはくれぐれも注意をするようにと促しました。


コロナに花粉に加えて黄砂と、なかなか気が抜けない毎日です。

マスク、手洗い、うがいをますます徹底しましょう。

僕の愛用品

僕が大切にしている万年筆があります。

モンブランから一昨年発売された「マイスター シュテック カリグラフィー」です。

この万年筆は、神戸市の「ナガサワ文具店」で購入しました。

僕のお気に入りの文具店です。


万年筆ファンの集うお店で、

「神戸インク物語」と銘打った100数色のインクも販売されています。


色の名前に”六甲グリーン”や、”海峡ブルー”、”旧居留地セピア”など、

神戸を表すオシャレな名前で、

僕もこれらのインクでブログのアイデアをメモしています。

万国津梁

僕が好きな沖縄、琉球の言葉で「万国津梁」というコトバがあります。

琉球は「万国」つまり、あらゆる国の、

「津梁」つまり架け橋となることを国の使命とし、

それをもって国が繁栄するという意味だと思います。


クリニックも、来られる患者さんを診て、

検査が必要なら病院へ、

介護が必要ならケアマネさんや老人ホームを紹介したり、

医療と介護の架け橋になりたいと思って毎日診察しています。

1日も早くコロナ禍が収束を迎え、

安心して沖縄の海を見に行ける日を心待ちにしています。

僕の好きなドラマ

僕の好きなドラマの一つ「JIN -仁-」

現代の脳外科医の南方仁先生が江戸時代末期へタイムスリップして、

江戸時代で脳外科の手術をするというお話です。

現代では、当たり前の手術器具もないなかで、

メス一つですら、違う金物を代用して手術をする場面で、

過去の誰かが作ったからこそ今の現代医療があることに気付いていきます。


江戸時代で坂本龍馬も登場し、

歴史上の事柄とフィクションがまざりながら、

当時では治療不可能なケガや病気を治し、

江戸の町の人々を救っていきます。


主人公、南方仁の人格の良さに胸がスッキリします。

清貧をつらぬいて、庶民を助け、

「医は仁術なり」と気持ちのいいドラマでした。

江戸時代の遊郭の女郎たちを梅毒から救おうとペニシリンを作ったり、

ちょっと無理もありますが、

医者はかくあるべしと思います。

※ 写真はこちらのサイトからお借りしました

人生のフィナーレ

先日、自宅療養する患者さんがお亡くなりになりました。


いつもは死亡診断書を書くときには病名を書くのですが、

今回の患者さんは100歳近くで天命を全うされ、

死亡診断書には老衰と死亡理由を書かせていただきました。

亡くなった患者さんが人生を生ききったこと、

ご家族は最期はご自宅で見送れたことに安堵の気持ちをいだかれていました。


かかりつけ医としても、一人の患者さんの人生のフィナーレを見送ることは、

感慨深いものがあります。

うねび内科クリニックのスタッフ

うねび内科クリニックに通院されていた患者さんが高齢になり通院できなくなった時、

または、病院から退院され自宅で在宅療養されるとき、

クリニックから訪問診療をします。

自宅で点滴をしたり、胃ろうを通して栄養を注入したり、

気管から痰を吸入したり、

色々なことを行います。


僕が訪問診療をする際に、

点滴セット、胃ろうのチューブ、吸引チューブなど色々準備をしてくれて、

バックアップしてくれる看護師長と主任がいます。

なかなか優秀で、なくてはならない二人に感謝です。

奈良の暮らし

春分の日が過ぎました。これからいよいよ春本番ですね。

今年は桜の開花が早いですね。

近くの梅の木や早咲きの河津桜はすでに散り始めています。

これからいろいろな花が咲き始めます。

奈良にはお寺が多いですが、僕の好きな法華寺に咲くサンシュユ、

不退寺のレンギョウなどの黄色い木々や、

ハスの花に似ていることから「木に咲く蓮(ハス)」という名前のモクレンなど、

色とりどりの樹木が、春の暖かさを運んでくれます。

お寺の静けさも心安らぐひとときに感じられます。

緊急事態宣言解除にあたり…

 緊急事態宣言が解除されました。

この一年は感染対策に大変苦労しました。

昨年2月はまだ手探り状態で、

スタッフのうがい・消毒・手洗いの通常以上の徹底を開始、

3月には受付のアクリル板を設置しました。

まだ周りにはどこもアクリル板を設置していないころで、

受付で患者さんを拒絶している印象を与えないかなど、設置には勇気が入りました。

そのあと、空気清浄機や紫外線殺菌等の大量増設などさまざまな対策を講じました。

また、医師会としてPCR検査のドライブスルー外来の開始に向けて、

ゴールデンウイーク中も準備に追われました。

そんな忙しい最中でも、

スタッフはいつも院内のアルコール消毒に力を入れるなど気を配ってくれました。

万全の感染予防対策が功を奏し、当院からは感染者は出ておりません。


昨秋からは発熱外来も行っております。

お電話での問診、駐車場での対応、診察には医療用エアーパーテーションの設置をするなど,

こちらも万全の対応をしております。

どんな時でも柔軟に、地域医療の役に立つクリニックでありたいと考えています。

最後の診断

ぼくの好きな本、アーサー・ヘイリー著の「最後の診断」

昭和50年の発刊で、高校生の頃に読んだ本です。


忙しい病院での仕事に追われて老齢になった病理診断部長のピアスン、

毎日大量の診断と、役職の雑用に追われて、くたくたに疲れて、

新しく知識を得る時間が無く老年になってしまった。


新しく赴任した新進気鋭の病理診断医師コールマンは、

最新の知見に詳しく優秀だった。


コールマンは老年のピアスンの時代遅れの診断方法に改善を求めるも拒まれ続け、

病院運営を心配していた。

ピアスンの時代遅れの診断方法が問題を起こしつつあった。


そんな時、

若い女性の足の腫瘍が悪性か良性かで二人の診断に違いが生じる。

女性の脚を切断するかどうか、大事な診断の場面であった。


複数の外部の病院に意見を求めたが、

それらの病理診断の意見も分かれる。

女性の下脚切断がどうかの最後の判断が老年病理診断医に委ねられる。

良性なら切断不要の脚を若い女性からうばってしまう。


老年になり時代遅れの医師が最後の診断をくだし、

悪性として女性の下肢切断が行われる。

手術後の最終診断でも悪性であった。

この大事な場面での最後の診断では、老年病理診断部長ピアスンに軍配があがる。


しかし、時代遅れとなった老年医師は病院を追われて退職する。

代わりに新しく病理診断部長に就く若い医師に、

どんな役職の雑用に追われても、勉強を決して怠るなと忠告して病院を去ります。


高校生のときに読んだこの本で、

どんなに忙しくする中でも、医師は一生勉強を続けなければならないのだと強く思ったことを、

今でも心に刻んでいます。

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